最近の人間ドックでは日帰り、宿泊ありなどいくつかのコースが用意されています。日帰りと宿泊ありでは何が違うのか、人間ドックの種類や形態について解説していきましょう。
人間ドックの主流は日帰り
人間ドックと言えば病院に泊まり込んで受けるのが当たり前……だったのは一昔、二昔前のことです。現在の主流は日帰り人間ドッグ。特に健康診断や人間ドックを専門に行っている医療機関では、検査手法や検査機器の性能が洗練化され、忙しい方でも気軽に受けられる短時間での検査が可能になっています。
日帰りの人間ドックには、半日で終わるものとほぼ1日かかるものがあります。半日コースは血液検査やバリウムを飲む胃部レントゲン検査、腹部超音波検査などを含む基本的な検査項目(一般健診)をこなすものです。検査にかかる時間は2~5時間になります。
1日コースの場合は、上述の基本検査に、オプション検査を追加したものになります。検査にかかる時間は7~8時間。16時くらいには終了するケースが多いでしょう。日帰りは1日で済んでしまうほか、宿泊費用が掛からない分安く済むメリットがあります。
宿泊ありの人間ドックは何を行う?
1泊2日の宿泊ありの人間ドックでは、基本検査にさまざまなオプション検査を追加することができます。
胃がん、大腸がんに加え、喫煙者向けの肺がん、食道がん、男性向けの前立腺がん、女性向けの乳がん、卵巣がん、子宮がんなどの検査を、セットで受けられるようなオプションもあります。
医療機関によりますが、PET検査、大腸内視鏡検査、これまで見つかりづらかった早期すい臓がんや胆道がんの可能性を診断する検査などをリクエストすることも可能です。
がんのほか、脳卒中、心不全などに関する検査を受けたいという方は、脳検査ではMRI検査やMRA検査を行うのが通例です。
ほかにも、女性向けコース、アレルギーや骨粗しょう症、リウマチなどに関する検査など、医療機関によってさまざまなメニューが用意されています。
どのようなオプションを選ぶかにもよりますが、通常、1日目は半日人間ドックと同じ程度の時間で終わり、2日目も午前中でほぼ終了という形が多いでしょう。それほど流れ作業的になることがなく、余裕を持って受けられるのも宿泊あり人間ドックのメリットです。
高級ホテルに泊まる人間ドック?
人間ドッグのサービス内容は多様化しています。形態にもバリエーションが生まれていて、最近では高級ホテル、リゾートホテルの宿泊、食事がサービスに含まれた人間ドックプランも存在します。もちろん料金はそれなりに高額ですが、ゆったりと休暇を兼ねて人間ドックを受けたいという層の支持を得ています。
病院とは違う、健康診断や人間ドックを専門に行う医療機関も、リラックスできるサロンのような雰囲気のところが増えています。長時間待たされたり、急かされたりするようなこともほとんどありません。多忙な方向け、じっくりと検査を受けたい方向けなど、利用者のさまざまなニーズに応えるサービスを提供しているところが人気を集めています。
利用者の側も、人間ドックを特別なものではなく気軽に行うものと捉えたり、仕事が一段落したときにリフレッシュを兼ねて受けたりと、以前とは少し違う価値観が芽生えてきているのではないでしょうか。
日帰りと宿泊あり、どちらのタイプの人間ドックを選ぶかは、目的や都合によって比較検討すればいいでしょう。初めてなのでまずは半日人間ドックから、というのもひとつの選択です。自分が試したい人間ドッグを探してみてください。